7月21日水曜日
ウィーン6日目
ベルヴェデーレ宮殿の下宮で開かれている「Sleeping Beauty」展。なんともロマンチックな名前( ´∀`)
新古典主義*やナザレ派**、ラファエル前派***などの象徴主義絵画を中心に展示されていた。
* 古典ギリシア・ローマ美術を規範に同時代美術の創造を目指す運動。ロココの享楽性への反動や考古学的発見を契機に広まる。
** ドイツの芸術運動。アカデミックな新古典主義に反発し、ルネサンス美術への回帰を提唱。ラファエル前派の先例
*** ラファエルより前のイタリアやフランドル絵画への回帰を主張。鮮やかな色彩と細密描写、聖書や歴史・文学を主題にすることが特徴。
¤ Margaret MacDonald-Mackintosh(1865-933), "Junirosen", 1898
ミュシャのようなイラスト感の高い作品。色合いは質素。女性のまわりに集まる天使の顔がとても愛らしい。
【眠り】を主題とした作品を多く展示していて、それは「眠れる森の美女」だったり「アーサー王」だったり単なる女性の寝顔であったり。
眠りは意識が無意識、現実が夢に変わる場所だから精神分析的にもアプローチできるし、ロマンチックでもある面白いテーマだと思う。
眠っている女性の作品ばかり見ていたら「アフターダーク」(村上春樹)に出てくる浅井エリを思い出してしまった。彼の小説は色々な絵や作品にリンクしやすいから不思議。
¤ Frederic Leighton, "Flaming June", 1895
今回の企画展のメイン作品と思われる。美しい。
後ろに広がる海がキラキラ光っていているのがまた良い。
余談
展示室のところどころに花が飾られていて、いかにもロマンチックであった。
特に青い花が壁にそって一列に並んでいる様子は趣味の良さを感じざるをえなかった。